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2008年4月16日 (水)

医療破壊の中の光明

全国、都市部でも郡部でも、医療が破壊され、医療へのアクセスが難しくなって来ています。その中での一筋の光明です。

神戸新聞 2008.4.13
丹波のグループ 医療守る活動、シンポで報告 東京
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0000938781.shtml


日本の医療は、コスト、アクセス、クォリティが奇跡的に並立してきました。それが当たり前と思われていました。医療者は無限の奉仕をするものとも考えられてきました。

しかし医療資源は限りあるものでした。いつしか、無駄遣いされ、医療資源が枯渇して来たのです。さらに医療従事者は、自身の健康とか労働安全、医療安全、そういった要素から資源を絞り出して需要を満たそうとしてきました。

しかし医療への要求は留まるところを知りませんでした。頭脳労働、肉体労働だけでなく、感情労働までも強いる時代になりました。医療従事者の心までも差し出せとなった時、医療は破壊の奈落へと転がり落ち始めました。

医療破壊の根源は人の心なのです。

そこにいくら金銭的な資源をつぎ込んでも、医療は再生しません。イギリスがよい例です。サッチャー政権下のイギリスは、揺りかごから墓場までの手厚い社会保障制度を切り詰めました。医療システムは破壊され、医療従事者は国外に逃げ出すものが増え、士気は著しく低下しました。ブレア政権下で、イギリスは医療費を 1.5 倍に増やす等医療資源の供給を増やす政策に転換しましたが、一度失われた人と心は、10 年近くたっても戻ってきません。

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ものの大切さは、失ってみて始めて気付くことがあります。世の中、健康な人の方が多いですし、日本の医療の供給は、他国に比べればまだまだ多いのです ( 医療へのアクセスが簡便 )。まだ医療の大切さは、ほとんどの人に気付かれていません。

ですが、町全体から小児科が無くなったら、地方都市から産科が無くなったら。そこで始めて気付くことになるのです。ですが、無くなってからでは、イギリスと同じ、遅いのです。

医療資源が枯渇する前に、それに気付く心が必要です。

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兵庫県の中央東の丹波地方。柏原町の医療は、2 次〜 3 次医療は柏原赤十字病院と兵庫県立柏原病院が支えてきましたが、そのなかで小児科医がだんだんと少なくなってきました。過重労働で一人辞め、そうすると残った医師の労働がより過重になりまた一人辞め、とドミノ現象が起きます。

最後に、県立柏原病院に二人だけ小児科医が残りました。その一人が病院長になりました。とうとう丹波地方の 2 次以上の小児科救急はたった一人の小児科医に託される事態になりました。その小児科医が過労で倒れるか、辞めてしまうか。事態は火を見るより明らか、荒廃した医療の焼け野原の姿が、目の前に迫ってきました。

そこで医師を確保せよ、と署名を集めて町長や県知事に請願をして、うまくいった事例は少ないのです。尾鷲市の産科医の事例のように、破格の給与を提示しても、人の心によって医療が破壊されたところで働きたいという医師はいません。

医師が働きたいと思うのは、お金ではなく、やりがいだからです。

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丹波地方で子供を抱えた若いお母さん方は、医師を確保せよとは言いませんでした。

県立柏原病院の小児科を守る会
3つのスローガン

1. コンビニ受診を控えよう
2. かかりつけ医を持とう
3. お医者さんに感謝の気持ちを伝えよう

» 過去記事 : コンビニ感覚の受診やめよう / 丹波市

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神戸新聞 2008.4.13
丹波のグループ 医療守る活動、シンポで報告 東京
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0000938781.shtml

超党派の国会議員百四十七人でつくる「医療現場の危機打開と再建を目指す国会議員連盟」(会長・尾辻秀久元厚労相)が十二日、初のシンポジウムを東京・日比谷公会堂で開いた。医師の負担軽減を目指す丹波市の母親グループ「県立柏原病院の小児科を守る会」の丹生裕子代表がパネリストとして招かれ、「医師とともに医療を築くパートナーになりたい」などと語った。

同連盟は、重症患者の搬送先が見つからなかったり、勤務医が大量に病院を辞めたりする問題を受け、二月に発足。医療現場の声を踏まえ、政策提言を目指す。

約千人が参加。各地の医師らがパネリストを務め、医師と患者の信頼関係が築きにくいことや、医師数が先進国の中で低水準な現状を報告。「医療の安全確保にはコストがかかる。医療費削減を見直すべき」などの意見が出された。

「県立柏原-」は、市民に安易な救急利用を控えるよう呼び掛ける活動を報告。出席者から「活動が全国に広がらなければ医療体制が崩れる」などの声が寄せられた。
(小林良多)
(4/13 09:53)

医療問題を話し合った国会議員連盟のシンポジウム=12日午後、東京都の日比谷公会堂


20080413kobe_np

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上の写真は、医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟の第一回シンポジウム ( 2008.4.12 日比谷公会堂 ) のものです。

向かって右から二人目の女性の方が、県立柏原病院の小児科を守る会の代表の丹生裕子さんです。

右から三人目は桑江千鶴子都立府中病院産婦人科部長です。医療事故における刑事訴追の問題を訴えられました。福島県立大野病院の逮捕された産科医が有罪になるようなことがあれば、現場で働く産科医は激減してしまうでしょう。

» 参考 : 加藤医師を支援するグループ

右から四人目の男性が黒川衛全国医師連盟代表です。医療を守るためには、医療従事者の労働環境を守ること、医療への刑事司法の介入を抑制することを訴えられました。
                      

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