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2007年12月24日 (月)

医療事故調 / 国会議員の方々へ

心ある国会議員の皆様方へ、医療崩壊を防ぐためにこの記事を書き、TB を送らせて頂きます。

今、日本の医療の息の根を止めるに等しい制度が生まれようとしています。厚生労働省の医療事故調査委員会 ( 自民党「診療行為に係る死因究明制度等について」では仮称、医療安全調査委員会 ) です。

医療の中で起こった不幸な死について、第三者機関が科学的に原因を究明し、医学医療の発展と再発防止に役立てること、これは医師も患者さんやそのご家族も、そして広く国民が望むところだと思います。

しかし先般、厚生労働省「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」から出された「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案 - 第二次試案 -」では、上のような希望を打ち砕き、今まさに崩壊しようとしている日本の医療の息の根を止めるような制度が提唱されています。

先進諸国の医療事故や航空機事故の調査では、科学的究明と再発防止が人々にとって最も大切であることから、処罰を目的とせず、誠実で正確な調査がなされるシステムになっています。それに反して、日本の航空機事故では、航空機鉄道事故調査委員会の調査よりも警察による捜査と刑事訴追がなされるシステムになっています。

このことと同様に、厚生労働省が提唱した医療事故調査委員会による調査の目的には、迅速な行政処分を行うこと、民事提訴の際の証拠になること、刑事訴追の根拠となること、これらが入ってしまっています。航空機事故と同じく、これでは誠実な調査がなされる期待は薄くなってしまいます。

それだけでなく、厚生労働省が目指す医療事故調査委員会の実現には、現在の日本での法医学、病理学の医師による死因調査、疾病調査のマンパワーではとても足りず、また、医療行為を検証する臨床医についても、医師不足の昨今、医療事故調査にマンパワーを回す余裕はありません。調査は、まず人的資源から、不十分なものになる恐れが強いのです。

しかも、医療事故調査委員会を全国各ブロックに設置し、年間何千、何万もの医療関連死の調査を行うためには、莫大な予算措置が必要でしょう。それだけかけても充分な調査ができる見込みはありません。

さらに、医療行為の中で起こった不幸に処分を目的とした調査がなされるとなりましたら、リスクを伴う医療行為については、それを避けることでリスクを低減しようという流れになってしまい、医学医療の発展によって医療のリスクを下げるという動機は失われてしまいます。これは、医学の退化退行を意味し、国民の生命、健康にとりまして、大きなマイナスです。

また、厚生労働省は、処分に基づく絶大な権限を手にすることになり、厚生労働省が進める医療事故調査委員会は、厚生労働省による厚生労働省のためのものでしかなく、日本の医療政策は、医師の生殺与奪の権限とともに、全て厚生労働省の手の中に置かれることになるでしょう。

日本医師会は、これに賛成したことになっていますが、多くの医師はこの危険性に気付き始め、日本医師会に再考を求めています。

国会議員の皆様におかれましても、この制度の愚かさと危険性をご理解頂いて、拙速な議論を止めさせ、国家百年の大計として十分な議論とともに良い制度ができますよう、お力添えを賜りたいと存じます。


ブログコメント欄にも、残せる場合は一言残して行きます。

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厚生労働省の医療事故調査委員会 ( 自民党「診療行為に係る死因究明制度等について」では仮称、医療安全調査委員会 ) は、今まさに崩壊しようとしている日本の医療の息の根を止めるような制度です。拙速な議論を止めて、国家百年の大計として十分な議論を尽くして頂きたいと思います。

http://akamatsu-clinic.cocolog-nifty.com/archive/2007/12/post_3fd4.html

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